課題 9:個人の選択履歴と階層ベイズ

計量経済学II

作者

Kei Ikegami

重要この課題のねらい

個人の選択履歴からHB logitを推定し、事後分布で次の選択を予測する。合計100点。目安は2〜4時間。属性係数は既知に固定し、価格係数の個人差を推定する。

Part 1:選択データを作る(40点)

イヤホン2商品と外部選択肢を考える。価格は千円単位で6、10、14から無作為に選び、3属性は独立な確率0.5の二値変数とする。\(\beta=(0.5,0.8,0.3)\) を既知とし、効用は \(x'\beta-\exp(\theta_i)p+\varepsilon\) とする。

150人について、\(\theta_i\sim N\{\log(0.10)-0.5^2/2,0.5^2\}\) とし、推定用6問・検証用6問を生成する。seedは2026092。同じ人の推定用・検証用課題では同じ \(\theta_i\) を使う。

  1. このモデルの選択確率と個人の尤度を書け。条件付き独立の仮定を説明せよ。(10点)
  2. 講義の生成関数を上の仕様に変更し、データを発生させよ。真値の分布と選択割合を示せ。(20点)
  3. 推定用と検証用で、何を共有し何を引き直したか説明せよ。(10点)

Part 2:推定・区間・予測(60点)

  1. \(\mu\sim N\{\log(0.2),1.5^2\},\tau^2\sim IG(2,0.5)\) として、講義のMetropolis-within-Gibbsを実装せよ。尤度に真の係数を渡していないことを確認せよ。(15点)
  2. 2列の計算を行い、\(\mu,\tau\) の事後平均・95%信用区間・真値を並べよ。時系列とsplit-\(\hat R\)を確認し、最初の10人の価格係数の区間も示せ。(15点)
  3. 検証課題の選択確率を事後積分で計算せよ。事後平均の係数を代入した予測とも比較せよ。(15点)
  4. 同じ属性係数を使うcomplete poolingと、範囲 \(\alpha\in[0.01,1]\) のno poolingに対して、検証log lossを比較せよ。個別最尤推定の境界件数も示せ。(10点)
  5. 新規顧客と既存顧客では予測に使う分布がどう違うか、施策への含意を3行で述べよ。(5点)
ノートヒント

各事後抽出値から選択確率を計算してから平均する。exp(mean(theta)) と mean(exp(theta)) も、logitへ平均を代入することと確率を平均することも、一般には異なる。

講義ノート / Playground